フォトジェニック!えのきツリーの豆腐餡掛け
秋の味覚を味わおうときのこ料理を作ってみました。
きのこは当たり前ですが菌で出来ており、ビタミンDやカリウムといった野菜からは摂取しにくい栄養をたっぷり含んでいます。
香り成分も非常に多く含み、芳香を楽しむ秋の味覚の代名詞のような食材ですが、野菜と構造が違うので扱い方にコツがいります。
例えば形作る細胞壁は野菜がセルロースが多く頑丈なのに対し、大部分は炭水化物の一種であるグルコースを含んだ多糖類であるβ―グルカンです。
これは不溶性の食物繊維の一種ですが、当然加熱などにより含む炭水化物である食物繊維が流出し、食感などが変化します。
β―グルカン自体は腸を刺激して便秘を予防・したり、腸内の有用菌をふやす、腸の中の有害物質や老廃物の排出をうながす、余分な脂肪を吸収排出して肥満を予防すると非常にありがたい効能を持ちます。
味としては、三代旨味成分であるグアニル酸を多く含む食材で、特に他の旨味との組み合わせで爆発的に美味しくなる性質がありますが、抽出にコツがあります。
まずは扱いですが、きのこの成分のほとんどは水溶性食物繊維な為、当然水にさらすとしなしなになります。
基本的には水洗いは不要ですが、しめじやエリンギなんかは構造が強いためシャキシャキとした食感が残りやすいです。
えのきは非常に弱いため粉ふりをして焼くことで余分な水分を吸着し、食感を残しながら調理してみました。
ただし、松茸などもシャキシャキしてますが、香り成分が強いため水分を加えて蓋をし、香りを閉じ込めながら調理した方が良い場合もあります、好みはありますね。
味の抽出ですが、きのこは前提として乾物の方が旨味成分は強いので、何から味を出し、食感は何で出す!といった構成が重要です。
特に椎茸は干す事でグアニル酸の基となるリボ核酸が生より20倍以上に増えるため、味を出すにはもってこいな食品です。
干し椎茸のリボ核酸は水につけて5度前後で5時間程置くとしっかり抽出できやすく、また、60〜80度で20分程加熱するとリボ核酸分解酵素の働きが活性化してグアニル酸に変わります。
しかし、抽出液が60度以下の場合は苦味や渋味が強いため注意が必要です。
上手くグアニル酸に変化した出汁に肉などから出るイノシン酸、昆布や野菜から出るグルタミン酸と合わせると、相乗効果で爆発的に美味しくなります。
調理法で全く変わるので色々試してみてください!
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